コラム | 2023-12-25
カシミヤは自宅で洗濯できる?正しい手順と失敗時の対策、お手入れ方法
カシミヤは自宅で洗濯できる?正しい手順と失敗時の対策、お手入れ方法
高級な肌触りと、卓越した保温性で人気の素材「カシミヤ」。非常にデリケートな繊維のため、誤ったお手入れで生地が傷んでしまうことがあります。 しかし、カシミヤの正しい洗濯方法や保管方法などを詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。 本記事では、カシミヤの適切な洗濯方法をご紹介します。また、お手入れのポイントや長く愛用するための保管方法も併せてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
カシミヤとは?
カシミヤは上質な素材として知られています。名前を聞くだけで、生地の上品な質感や温もりを想像する方も多いのではないでしょうか。まずは、カシミヤの特徴や洗濯に関する注意点、洗濯する頻度などをご紹介します。
カシミヤの特徴
カシミヤとは、「カシミヤヤギ」から採取される動物繊維(毛)のことです。カシミヤヤギの体の表面は粗毛に覆われていますが、その内側の極めて柔らかく軽い産毛を使ってカシミヤ製品をつくります。 カシミヤの主な原産国は、中国・モンゴル・ロシア・イランなどです。そのなかでも、冬は零下30℃以下、夏は30℃以上という厳しい気候環境で生息するカシミヤヤギからしか採取できないといいます。 寒さの中で生き抜くために生える、特殊な産毛がカシミヤなのです。カシミヤ素材は、ほかの羊毛とは一線を画した肌触りが特徴です。非常に滑らかであり、保温性に優れています。 また、軽くて柔らかく、使用を重ねるたびに空気を含んでふんわりと厚みが出ることも魅力です。この優れた特性から、カシミヤは高品質なニット製品としてストールやマフラー、セーターなどを中心に広く利用されています。
カシミヤを洗濯する頻度
カシミヤ製品は非常にデリケートで、長く愛用するためには日々のお手入れが欠かせません。しかし、過度な洗濯は繊維を傷つけ、毛玉や縮みの原因となることがあります。 一般的には、シーズン中に1~2回程度の洗濯頻度が望ましいとされています。カシミヤの優雅な魅力を長く楽しむために、適切な洗濯頻度を守りながら丁寧にお手入れすることが大切です。
カシミヤを自宅で手洗いする方法
カシミヤ製品を長く愛用するためには、正しい方法でメンテナンスすることが欠かせません。自宅での手洗いの方法をマスターして、デリケートな素材を優しくお手入れしましょう。
カシミヤ製品の優しい風合いを守るためには、丁寧に手洗いすることがおすすめです。縮みや型崩れに注意しながら、優しく洗いあげましょう。
- 清潔なバケツやたらいに水を入れ、おしゃれ着用洗剤を溶かします。カシミヤは髪の毛と同じタンパク質でできているため、シャンプーで洗うことも可能です。
- カシミヤ製品をそっと浸し、手のひらで優しく押し洗いをします。
- 丁寧にすすいで、柔軟剤で仕上げましょう。柔軟剤を使わず、リンスやコンディショナーで仕上げる方法もあります。洗濯によって失われた油分を、しっかり補給してあげましょう。
- 軽く押さえて水気を切ったら、乾いたタオルに挟んで残りの水分をとります。
- 風通しの良い日陰で、平干しして自然乾燥させて完了です。
カシミヤを洗濯機で洗う方法
カシミヤ製品によっては、洗濯機の使用がOKな場合があります。ご自宅で手軽にカシミヤをお手入れしたい場合は、洗濯機を使って洗ってみましょう。
洗濯可能か確認する方法
カシミヤ製品には、自宅での洗濯が可能なものとクリーニングが必要なものがあります。必ず洗濯表示を確認しましょう。自宅での洗濯不可の表示がある場合は無理に洗おうとせず、クリーニング店に依頼することがおすすめです。
洗濯機で洗う手順
- 洗濯機を手洗いコースやドライコースなど、デリケート素材向きのコースに設定します。水温は30℃以下です。
- カシミヤ製品が洗濯ネットの中で動かないよう、大きさを合わせて丁寧に畳み、ネットに入れます。
- 多めの水量に適量のおしゃれ着用洗剤を使用し、短時間で洗いましょう。
- 脱水が完了したら取り出し、形を整えて風通しの良い日陰で平干しします。洗濯機を使用する場合でも慎重に手順を踏むことで、カシミヤを優しく洗うことができるでしょう。
衣類の大きさに合った洗濯ネットを使う
衣類に合わせて適切なタイプやサイズを選びましょう。洗濯ネットの形状には、角型、丸型、筒形、フットボール型など多様なタイプがあります。 角型タイプは中に入れた洗濯物が動きにくいため、あまりダメージを与えたくないおしゃれ着などにおすすめです。丸型は中の洗濯物が動きやすい分、汚れ落ちが良い点がメリット。筒形は毛布などの寝具を巻いて入れるのに適しています。 フットボール型はブラジャーの型崩れを防ぎながら洗いたいときに向いています。洗濯ネットの大きさもさまざまで、小さな下着用の製品もあれば、大きな寝具用の製品もあります。 洗濯物より大きすぎるネットの場合、衣類が中で動いてしまいます。結果として絡まりや傷みなどの原因になるため注意が必要です。 反対に、小さすぎるネットの場合は洗濯物が窮屈になってしまい、しっかりと洗うことができません。衣類にぴったりのサイズの洗濯ネットを選びましょう。
カシミヤを洗濯する際の注意点と失敗時の対処法
カシミヤは、注意点を守れば自宅でも洗濯することができます。ここでは、カシミヤを自宅で洗う際の注意点と、万が一失敗してしまったときの対処法をご紹介します。
カシミヤを洗濯する際の注意点
- 水の温度
洗濯時の水温は、高すぎると縮みの原因になってしまいます。30℃以下の常温の水が理想ですが、洗剤が溶けるようであれば冷水でもかまいません。 - 摩擦は避ける
カシミヤは摩擦に弱く、毛玉や縮みの原因になってしまいます。とくに濡れた状態でのこすり洗いは避けるように注意しましょう。 - ドラム式洗濯機は使わない
ドラム式洗濯機は、洗濯物をたたきつけるようにして汚れを落とす仕組みです。カシミヤの繊維が傷むおそれがあるため、使用しないことがおすすめです。 - 乾燥機は使わない
カシミヤ製品を乾燥機にかけると縮んでしまいます。風通しの良い室内、または日陰で必ず自然乾燥してください。 - 吊るし干しはしない
ハンガーなどに吊るして干すと、重みで型崩れの原因になります。乾燥させるときは、できるだけ平らな場所で形を整えてから平干ししましょう。
カシミヤの洗濯で失敗したときの対処法
カシミヤを洗濯して縮んでしまった場合は、ヘアトリートメントの活用で改善する可能性があります。水にヘアトリートメントを溶かし、縮んでしまったカシミヤ製品を浸して30分~1時間つけ置きしましょう。 多少の縮みであれば改善する可能性があるため、ぜひ試してみてください。カシミヤは、水に塗らした後に摩擦や熱を加えることでフェルト状態になってしまうことがあります。 これは「フェルト化」とも呼ばれる現象で、こうなってしまったカシミヤを元に戻すことは困難です。未然に防ぐため、洗濯前には必ず洗濯表示を確認し、摩擦を伴う洗濯方法や乾燥機の使用は避けましょう。 失敗したくない大切なカシミヤ製品の洗濯は、クリーニング店に任せると安心です。
カシミヤのお手入れと保管のポイント
カシミヤは、ポイントを押さえたお手入れと保管を行うことで、美しさを保つことができます。大切なカシミヤ製品を長く愛用するために、以下のポイントに注意しましょう。
- 天然繊維のブラシでケア
カシミヤ製品の着用後は、しっかりブラッシングして汚れやほこりを落としましょう。使用するブラシは、合成繊維のものだと静電気が発生し、かえってほこりを引き付けてしまうおそれがあります。普段のお手入れは、天然毛のブラシがおすすめです。 - 汚れをしっかり落としてから保管
保管する前に、汚れを徹底的に取り除きましょう。とくに水分や食べ物のシミは、カビや虫食いの原因となります。こまめなお手入れで美しさを保ちましょう。 - 防虫剤を乗せて保管
カシミヤは天然繊維であり、虫害に弱い特性があります。保管時には防虫剤を活用しましょう。防虫剤の成分は空気より重いため、衣類の上に乗せて使用することがポイントです。 - 湿気に注意
湿った状態での保管は、カビの発生の原因となります。保管前にはしっかりと乾燥させましょう。長期間保管する場合は、湿気がこもるのを防ぐために、定期的に陰干しすることをおすすめします。
カシミヤを正しく洗濯して寒い季節を快適に過ごそう!
軽く温かいカシミヤは、寒い季節にぴったりの素材といえます。しかし、デリケートな素材であるため、自宅で洗濯する場合は注意が必要です。 一度失敗してフェルト化してしまうと元に戻すことはできないため、どうしても失敗したくない大切なカシミヤ製品は、プロに任せると安心です。「せんたく便」は、お預かりした衣類1点1点の素材に合わせた適切なクリーニングを行っています。 通常高額になりがちなデリケートな素材も、一律のパック料金でクリーニングが可能です。オプションで防虫・防カビ加工などのご利用も可能です。カシミヤをはじめ、大切な衣類をお手入れしたいときはぜひご活用ください。