コラム | 2024-09-10
自宅で汗抜きする方法は?汗染みを取る方法と注意すべきポイント
自宅で汗抜きする方法は?汗染みを取る方法と注意すべきポイント
暑い夏に汗を吸い込んだまま衣類をしまい込んでしまい、汗染みができてしまった経験はありませんか。特に汗染みは脇や背中などの部分に残りやすいものです。 汗染みはそのまま放置してしまうと、だんだん落としにくくなってしまいます。 本記事では、自宅で手軽に行える汗抜きの方法や注意点、汗染みを防ぐ方法などについて解説します。正しい汗抜きの方法を知って、清潔感を保ちつつファッションも楽しみましょう。
そもそも汗抜きとは?
衣類に染み込んだ汗染みを放置しておくと繊維を傷める原因になり、適切な処置が必要です。ここでは、汗抜きの定義と重要性について説明し、汗染みを防ぐ方法にも触れていきます。
汗抜きとは?
汗抜きとは、衣服に染み込んだ汗や皮脂汚れを除去する作業のことを指します。 特に、シャツやブラウスなどの通勤着は、春夏の暑い時期には汗をかきやすく、徐々に汗染みが付いてしまいがちです。 通常の洗濯では落としきれない汗染みや皮脂汚れを効果的に除去するために行う作業を汗抜きと呼んでいます。 具体的な汗抜きの大まかな手順は、まず衣服を適温の水に浸し、前処理として軽くもみ洗いをします。 その後、汗や皮脂汚れを落としやすい洗剤や漂白剤を使用し、染み込んだ汚れを取り除いていきます。 汚れがひどい場合には、洗剤を直接染みに塗布して少し放置することも有効です。この際、布地を傷めないように優しく洗うことが重要です。
汗抜きが重要な理由
汗抜きが重要な理由は、主に以下のような問題を未然に防ぐためです。 まず、汗が繊維に残留すると、時間とともに黄ばみの原因となります。特に白い衣類や薄い色の衣類では、汗染みが目立ちやすいため見た目も悪くなります。汗染みが黄ばむ原因は、リポフスチンという色素物質です。人間の体にはアポクリン腺とエクリン腺という2種類の汗腺があり、リポフスチンはアポクリン腺から分泌される汗に含まれる成分です。リポフスチンは付着すると洗濯では取り除きにくく、酸化して黄ばみとなってしまいます。アポクリン腺は脇の下やお尻などに集中しています。 また、汗染みがあると細菌やカビが繁殖しやすくなり、衛生的にも問題があります。さらに、汗に含まれる塩分や皮脂が繊維を傷めることで、生地の強度が低下し、衣類が早く傷んでしまうおそれもあります。 汗抜きを適切に行うことは、黄ばみや不快な臭いを取り除いて清潔で快適な状態を保つだけでなく、衣服の寿命を延ばす効果も期待できます。
汗染みをなるべく防ぐ方法
汗染みを未然に防ぐために、日常生活で取り入れられるいくつかの方法があります。 まず、吸湿性に優れたインナーを着用することがおすすめです。これにより汗が速やかに吸収され、外側の衣類に染み込むのを防ぎます。 次に、制汗剤や汗取りパッドを活用するのも効果的です。制汗剤は汗の分泌を抑制する働きがあるため、汗染みの原因となる汗の量を減らすことができます。 一方、汗取りパッドは直接肌に貼り付けるため、汗をすばやく吸収して衣類に染み込むのを防ぎます。これらは特に脇の下や背中など、汗をかきやすい部分に使用すると効果的です。 さらに、こまめな着替えも有効です。長時間同じ衣類を着続けていると、どうしても汗が染み込んでしまうことがあります。 特に運動後や外出から戻った際など、汗を多くかいたタイミングで速やかに着替えることで、汗染みができるリスクを大幅に軽減できます。 この他にも、衣類に汗が染み込みにくくなる汗染み防止スプレーを吹きかけたり、通気性が良くゆったりとしたサイズの衣服を着たりするのも効果的です。
自宅で汗抜きを行う方法
自宅で簡単にできる汗抜きの方法についてご紹介します。ここでは一般的な汗染みを落とす方法と、時間が経ってしまった汗染みの落とし方に分けてそれぞれ説明します。
一般的な汗染みを落とす方法
準備するものは以下の通りです。
- 洗面器(もしくはバケツ)
- 食器用中性洗剤
- Step1.洗濯物の数に合わせて洗面器やバケツにぬるま湯を用意する
40℃程度のぬるま湯は、洗浄力を保ちつつ衣類の繊維を傷めずに済みます。
- Step2.洗剤を溶かす
準備したぬるま湯に適量の食器用中性洗剤を入れて混ぜ、洗剤用液を作ります。液体洗剤は汚れをしっかりと浮かせる効果があります。
- Step3.洗剤溶液に衣類を浸す
衣類を洗剤溶液に浸し、20〜30分程度放置します。この間に洗剤が繊維に浸透し、汗染みや汚れを浮かせてくれます。
- Step4.汗染みをもみ洗いする
汗染み部分を優しくもみ洗いします。古い歯ブラシなどを使用して汚れを書き出すのも良いですが、繊維を傷つけないよう優しくこすってください。 もみ洗いが終わったら、洗面器の中で洗剤溶液を洗い流してください。
- Step5.洗濯機で通常の洗濯を行う
以上の流れを終えたら、洗濯機で通常の洗濯を行います。衣類用洗剤を使用し、洗濯機の設定も通常通りで問題ありません。柔軟剤を使用して仕上げるのもおすすめです。
- Step6.風通しの良い場所で乾燥
選択が終わったら、乾燥は風通しの良い場所で行いましょう。直射日光を避け、風がよく通る場所に干すことでカビの発生を防ぎます。 以上の手順を踏めば、家庭で簡単に汗抜きを行うことができます。日常の洗濯に少し工夫を加えるだけで、衣類を長持ちさせ、清潔に保つことができます。
時間が経った汗染みを落とす方法
時間が経った汗染みを落とすためには、少し特別なケアが必要です。以下、いくつかの効果的な方法をご紹介します。 1つ目として酸素系漂白剤を使う方法が挙げられます。酸素系漂白剤は比較的素材に優しく、安全に使用できるため、古くなった汗染みにも効果的です。 前述した方法と同様に、洗面器に40℃以上のぬるま湯を入れ、そこに塩素系漂白剤を混ぜます。できた洗剤用液に20分~1時間ほど浸けた後、洗濯機で通常通りの洗濯を行ってください。 この時、重曹を混ぜるのも効果的です。その場合は重曹と酸素系漂白剤が1:1の割合になるよう混ぜて溶かすと良いでしょう。 2つ目として、重曹ペーストを作って汗染みに塗り込む方法もあります。重曹に水や食器用洗剤を混ぜてペーストを作り、気になる部分に塗り込みます。 この時、下にタオルを敷いておけばペースト型の衣類を汚しにくいためおすすめです。ペーストを塗った後にスポンジや古い歯ブラシなどで優しくこすって汚れを落としていきます。 10分ほど放置して汚れを浮かせた後、通常通り洗濯機で洗濯します。また、3つ目として、クエン酸を使用する方法もあります。 クエン酸はアルカリ性の汗染みを中和してくれるため、効果が期待できます。クエン酸を水に溶いた溶液を汗染みにスプレーし、しばらく放置した後、洗い流します。 この時に重曹ペーストも併せて使用すれば、重曹とクエン酸が反応して泡が発生するので、古い歯ブラシなどで優しくこすると効果的です。 その後、いつも通りに洗濯を行うと古い汗染みも落ちやすくなります。4つ目として、セスキ炭酸ソーダを利用する方法も効果的です。 水にセスキ炭酸ソーダの粉末を溶かして溶液を作り、スプレーにして吹きかけ、20~30分ほど放置して汚れを浮かしてもみ洗いした後、通常通り洗濯機で洗濯します。 最後に煮洗いをご紹介します。鍋に煮洗い用の溶液と衣服を入れて、30分ほど弱火で煮込み、冷めるまで放置した後、通常通りに洗濯します。 煮洗い用の溶液は2種類あります。1つは洗剤を使う溶液で、1リットルの水に対して、洗濯洗剤小さじ2、酸素系漂白剤小さじ1の割合で混ぜ合わせるのがおすすめです。 もう1つは重曹を使う溶液で、1リットルの水に対して、重曹を大さじ2の割合で混ぜ合わせて作ります。 時間が経った汗染みを効果的に落とすためには、これらの方法を試しながら、ご自身の衣類に最も適した方法を見つけてみてください。 また、どの方法を使う場合でも素材や色落ちに注意しながら慎重に作業を進めることが重要です。
自宅で汗抜きする際に注意するポイント
汗抜きを効果的に行うためには、いくつか注意すべきポイントがあります。
できるだけ早く汗抜きする
汗抜きはできるだけ早く行うことがとても重要です。というのも、汗が衣服に染み込んだまま放置すると、時間が経つほど汗染みが繊維に深く浸透し、取れにくくなってしまいます。 汗には塩分や酸、油分が含まれており、これらが繊維にダメージを与える原因となり、衣服の色褪せや生地の破れが発生しやすくなるため、早期の対処が必要です。
混ぜてはいけない洗剤の組み合わせを知っておく
自宅で汗抜きを行う際、混ぜてはいけない洗剤の組み合わせを事前に知っておくことが重要です。特に、汗抜きの方法で紹介したクエン酸と塩素系漂白剤は絶対に混ぜないようにしましょう。 混ぜてしまうと危険な塩素ガスを発生させるため、利用する日にちも分けるほうがおすすめです。万が一、塩素ガスを吸い込んでしまった場合は、すぐに換気をしてその場から離れてください。
漂白前には色落ちテストを行う
汗抜きの方法によっては漂白剤を使用する場合があります。漂白剤を使用する場合は、必ず事前に色落ちテストを行いましょう。 特にデリケートな素材の洋服の場合、色ムラが起こって見た目が悪くなるだけでなく、生地を傷める原因にもなります。 色落ちテストは袖の裏や裾の内側など、目立たない場所で行います。まず、綿棒に漂白剤を染み込ませて、衣服の目立たない場所に押し当てます。 数分放置して綿棒に色がついていたら色落ちする素材のため漂白剤の利用は避けましょう。
衣替えの前に汗抜きを行うようにする
衣替えの前に汗抜きを行うことは非常に重要です。汗汚れは、時間が経ってから黄ばみとなって現れてくるもので、衣替えの長期保管前には汚れが見えなかったのに、 長期保管後は黄ばみが出ていたというケースもあります。長期保管前には、汚れが目立たなくても汗抜きを行うようにしておきましょう。 霧吹きなどで湿らせたときに嫌なニオイがしたり、触ってみて少し生地が硬く感じたりする場合は、汗抜きがおすすめです。
自宅で汗抜きをしてからクリーニング店に出す方法もある
自宅でできる範囲でケアしても、その上で取り切れない汚れや深い黄ばみなどが出てくることもあります。こういう場合はプロであるクリーニング店に任せると良いでしょう。 汗抜きからクリーニング店に一任することも一つの方法です。特殊な洗剤や技術を使用するプロの手が入ることで、家庭では取り扱いが難しい汗染みも効果的に除去できます。 特にお気に入りの衣服や高価なものについては、初めからクリーニング店にお願いしておけば、安全かつ確実に汗染みを取り除くことができます。
自宅での汗抜きが難しい場合は、クリーニング店を活用しましょう
ここまで汗抜きの重要性と、自宅で行う汗抜きの方法について説明してきました。汗染みを防ぐためには、そもそも汗染みが発生しないように対策することが重要です。 その上で発生した汗染みはここで紹介した洗い方で効果的に落としていきましょう。自宅での汗抜きが難しかったり、どうしても取れない汚れがあったりする場合には、専門家の活用もおすすめです。 特に、「せんたく便」は宅配クリーニングサービスで、店舗に衣類を持ち込まずに自宅から衣類を発送・受取できるため、忙しい人におすすめです。 送料・手数料は不要なパック料金制で、5点や10点など指定数を上限として依頼可能です。ぜひお気軽にご利用ください。