コラム | 2023-02-15
レーヨンの洗濯方法と手順|ポリエステルとの違いとシワの伸ばし方
レーヨンの洗濯方法と手順|ポリエステルとの違いとシワの伸ばし方
レーヨン衣類洗濯のコツは、洗濯表示をしっかり確認し、優しく丁寧に洗うことです。この記事では、デリケートな素材であるレーヨンについて解説したうえで、レーヨン製の衣服にダメージを与えない洗濯手順や保管方法を解説していきます。レーヨンは吸水性・吸湿性が高いため、縮みやシワ・シミといったトラブルにも注意が必要です。プロのクリーニング屋さんにお願いすることも視野に入れながら、レーヨン衣類の正しいお手入れ方法を確認していきましょう。
レーヨンの洗濯に関する基礎知識
レーヨン製衣類の洗濯は、レーヨン素材の特性をしっかり把握して行う必要があります。まずは、レーヨン素材に関する基本的な情報からチェックしていきましょう。
レーヨンの概要
レーヨンとは、日本語で「光る」という意味で、その名の通り光沢のある繊維です。原料は木材パルプで、元々はシルクの代用品として作られました。本物のシルクは、みなさんご存知のように高級素材です。そのシルクに見た目がそっくりで、安価な服を作ろうと誕生したのが、化学繊維のレーヨンです。 レーヨンのメリットは、シルクのような光沢感や、独特の「とろみ感」です。やわらかく優美さを感じるドレープ感から、女性用の下着などでよく使用されています。染料との相性も良いため、発色性に優れているのも特徴です。 また、レーヨンは化学繊維の中でも吸湿性に優れていて、良く汗を吸ってくれます。レーヨンは弱酸性の性質を持っており、アルカリ性である汗のにおいを中和してくれるのも特徴のひとつです。 加えて、触った感触がサラサラしていて、着心地や質感も清涼感があるため、夏物の衣類や寝具、スーツの裏地などにもよく使われています。 一方、レーヨンは水に弱く、縮みやすいうえ、水シミができやすい素材です。濡れていると、生地の強度も落ちてしまいます。また、酸性の液体にも弱いため、うっかりドレッシングなどがかかると、穴があくこともありますし、そうした汚れをそのままにしていると、虫食い被害に遭うかもしれません。 加えて、摩擦にも弱く、生地をこすると繊維が毛羽立ち、白っぽい見た目になることもあります。基本的にデリケートな素材なので、型崩れやシワといったトラブルも少なくありません。保管するときも湿気に注意し、収納場所には除湿剤や防虫剤を置いておきましょう。
レーヨンとポリエステルの違い
レーヨンと見た目が似ている素材に、ポリエステルがあります。レーヨンは1905年にイギリスで工場生産が始まり人気が高まったのに対し、ポリエステルは、1950年にアメリカで開発された繊維です。レーヨンのほうが、シルクの代用品として歴史が古く、日本で最初に製造された化学繊維でもあります。 どちらも衣類によく使われる化学繊維ですが、レーヨンは天然素材を原料とする「再生繊維」で、ポリエステルは石油を原料とした「合成繊維」です。水に弱いレーヨンとは異なり、ポリエステルは耐水性が強く頑丈で、縮み・シワ・型崩れが起こりにくい特徴を持っています。 一方、ポリエステルは吸湿性が低く、夏場に着るには向いていません。乾燥していると、冬場などは静電気が発生しやすい特徴もあります。
レーヨンは混紡率が重要
レーヨンが洗濯できるかどうかを見分けるポイントとして、混紡率があります。レーヨンは水に弱い素材のため、レーヨン100%の衣類は、家庭の洗濯機はもちろん、水洗いも不可です。その場合は、クリーニング店を利用しましょう。 ヒートテックのように、レーヨンにポリエステルやアクリルなど、他の素材と混紡されている衣類であれば、自宅でも洗えるケースが多いです。 素材への刺激が優しい中性洗剤を使うという条件で、水洗い(手洗い)ができるかもしれません。自宅での洗濯が可能かどうかは、洗濯表示をよく確認してください。
レーヨンの洗濯の手順とシワを伸ばす方法
ここからは、水洗いができるレーヨンの洗濯手順や注意点に加え、シワを伸ばす方法も解説していきます。
レーヨンの手洗いの手順
- Step1.洗濯表示を確認
最初に洗濯表示タグを見て、家庭で洗濯できるか確認してください。水洗いができるかどうかに加え、適切な水温も記載されています。水洗いが可能な場合も、デリケートなレーヨンには手洗いがおすすめです。
- Step2.必要なアイテムを用意する
レーヨンの手洗いに必要なアイテムは、以下の通りです。
- おしゃれ着用洗剤(中性)
- 洗い桶
- すすぎ桶
- バスタオル
- 平干しネット
- Step3.洗い桶に水を張る
洗い桶(または洗面器や洗面台)に水を張り、おしゃれ着用の洗濯洗剤を溶かします。水の温度が高いと、縮みや色落ちの原因になるため、水温は30℃以下にしてください。
- Step4.押し洗いとすすぎを行う
衣類を洗い桶に入れて、押し洗いをします。レーヨンは水に弱いため、30秒ほどで済ませるのがポイントです。摩擦による縮み・痛み・色落ち・色移りなどを避けるためにも、擦り洗いしないようにしてください。 洗い終えたら、水を張ったすすぎ桶に衣類を移します。泡がなくなるまで、しっかりすすぎましょう。押し洗い~すすぎ終わりまで、1~2分で終わらせてください。
- Step5.平干しする
すすぎ桶から衣類を取り出し、バスタオルを使って手早く水分を吸い取りましょう。このときも、擦らずポンポンと叩いて、タオルドライを行ってください。 干すときは、直射日光を避け、風通しのよい日影で干してください。陰干しをするスペースがない場合は、浴室乾燥でもOKです。ハンガーを使うと、水を含んだ生地の重みで、服が伸びることもあるため、100円ショップなどで売っている平干しネットを使ってみてください。
レーヨンの洗濯機での洗い方
- Step1.洗濯表示を確認
最初に洗濯表示を確認し、洗濯機で洗えるマークがついているかどうかを確認しましょう。適切な水の温度も記載されています。ただし、レーヨンは水に弱く繊細な素材のため、基本的には手洗いがおすすめです。洗濯機で洗う場合は、縮みや色落ちなどのリスクが高くなることを覚えておきましょう。
- Step2.洗濯ネットに入れる
汚れている部分があれば、その部分が外側になるように畳んで洗濯ネットに入れます。
- Step3.やさしく洗えるコースで洗濯する
「ドライコース」や「手洗いコース」など、優しく洗えるコースを選んで洗濯機を回しましょう。
- Step4.短時間の脱水をして取り出す
レーヨンは水に弱いため、脱水は10秒ほどで停止し、洗濯物を取り出してください。
- Step5.平干しする
洗濯後は、バスタオルで優しく挟んで残っている水分を取り、手洗いと同じように平干しします。
レーヨンのシワを伸ばす方法
レーヨンの服にシワができてしまった場合は、アイロンで伸ばせます。上手にアイロンをかけるポイントは、以下の3つです。
- 130〜160℃(中温)に設定する
- 薄手で色の薄い当て布をする(シンプルなハンカチなど)
- スチームアイロンを使わずドライにする
スチームを使うとシワが直しやすくなりますが、レーヨンは水に弱い素材のため、注意が必要です。スチームを使う場合は、生地が破れない程度に、生地をピンと張りながらかけてください。
洗濯でレーヨンが縮むトラブルを防ぐならクリーニングへ
レーヨンの洗濯では、縮みやシワなどのトラブルになる可能性もあります。大切な衣服をずっと長く着続けたいのであれば、プロのお手入れをお願いするのがおすすめです。
水洗いが不可のレーヨンはクリーニングがおすすめ
レーヨン素材は水に弱いため、水洗い可能の洗濯表示があっても、洋服の縮みや色落ちのリスクがあります。正しい洗濯方法がわからない、失敗が怖い、長持ちさせたいというときには、クリーニング店にお任せするのが安心です。クリーニング店では、有機溶剤を使ったドライクリーニングを行っているため、油性汚れなども水を使わず綺麗に落とせます。
宅配クリーニングの「せんたく便」ならデリケートな素材でも安心
クリーニング店に持っていく時間がない方などは、宅配クリーニングの老舗である「せんたく便」がおすすめです。ネットから手軽に注文でき、集荷・クリーニング・お届けまでまるごと行ってくれます。 料金も5点パックや10点パックなど、素材を問わない点数パック料金です。価格を心配しなくていいのは嬉しいですよね。今回ご紹介したレーヨンをはじめ、ウールやシルクといったデリケートな素材でも、プロの技術でお得にクリーニングを依頼できます。
デリケートなレーヨンの洗濯は水洗いかクリーニング店で
レーヨンはシルクとよく似た見た目ですが、水に弱いため、基本的には洗濯機での洗濯が難しい素材です。水洗いをするときは、手早く優しく洗っていきましょう。デリケートな素材なので、自宅での洗濯に不安があるときや、長く大切に着たい場合は、クリーニング店に依頼してみてください。