コラム | 2023-02-15
革バッグのお手入れに必要なメンテナンスグッズや実践方法
革バッグのお手入れに必要なメンテナンスグッズや実践方法
革製品は、使い続けるほどに味わい深くなるのが特徴です。革が徐々に変化する風合いを楽しむのも、革製品の醍醐味のひとつでしょう。 製品を長く美しい状態で楽しむには、適切なお手入れが欠かせません。革は、長期間使用していると乾燥や色落ちなどのダメージが蓄積してしまいます。お手入れをすることで、より長く使うことができ、時間が経った革ならではの良い質感が楽しめます。 今回は、革製品をご家庭でお手入れする方法や、必要なメンテナンスグッズを解説します。お気に入りの革製品を正しくお手入れして、最適な状態を保ちましょう。
バッグのお手入れの基本
革バッグの風合いを保って長く使い続けるには、正しくお手入れすることが大切です。まずは革バッグのお手入れの基本と、タイミングや頻度をご説明します。
革バッグにお手入れは必要?
革バッグを長く良い状態に保ちたいなら、お手入れは欠かせません。革製品のお手入れは、人のスキンケアと同じ考え方でおこないましょう。 革のバッグは乾燥と水分が天敵です。乾燥による油分不足を起こすと、表面がひび割れたり、風合いが損なわれたりします。定期的に専用オイルで保湿し、雨などで濡れた時はすぐに拭き取りましょう。自宅でのお手入れも大切ですが、汚れや状態によっては、専門業者にメンテナンスを依頼することも、革製品では一般的です。
革バッグをお手入れするタイミングや頻度は?
革バッグを使った後は、毎回、表面の乾拭きや、ブラッシングをするのが理想的です。専用ブラシなどで、縫い目や溝のホコリまできれいに落としましょう。雨などで濡れた場合は、すぐに拭き取ります。 乾燥対策として、オイルやクリームで定期的に保湿することも大切です。革の表面に触れて乾燥を感じたら、お手入れをするタイミングです。頻度は革の状態にもよりますが、半年に1度を目安にオイルやクリームを塗布しましょう。 表面の色味や質感が落ちてきたり、落ちにくい汚れが目立ってきたりしたら、専門業者にクレンジングを依頼すると良いでしょう。
革バッグのお手入れに必要なもの
ご家庭で革バッグのお手入れをするには、専用のメンテナンスグッズを用意すると良いでしょう。クロスや皮革製品専用ブラシなど、革のメンテナンスにおすすめのグッズと選び方、注意点などを解説します。
クロス
革バッグを拭く柔らかい布を用意します。汚れやホコリを落とし、クリームを塗布する際に使用します。水分をしっかりと拭き取るために、吸水性の高い綿素材のクロスを選びましょう。拭き取りから艶出しまで幅広く使える両面起毛の磨きクロスがおすすめです。パイル地などのクロスは、ファスナーに引っかかりやすいため注意が必要です。
革製品専用ブラシ
革バッグのホコリを落とすための専用ブラシです。豚毛、馬毛などの種類があります。革バッグだけでなく、靴などのメンテナンスにも重宝するため、ひとつ持っておくと便利です。革は繊細な素材なので、可能な限り専用ブラシを用意することが大切です。
保湿用オイルクリーム
革に潤いと栄養を補給し、柔らかくしてくれます。クリームの方が塗りこむ量を調整しやすいので、初心者の方におすすめです。保湿用オイルやクリームは、革の種類や色にあったものを選びましょう。全体に使う前に、目立たない部分で試しておくと安心です。
防水スプレー
雨などによるシミや色落ちを防ぎます。水分だけでなく、汚れからも革製品を守ってくれます。徐々に効果が落ちるので、定期的にスプレーしましょう。革製品に対応したものを選び、オイルやクリームと同様に、目立たない部分でテストをしてから使いましょう。
革バッグのお手入れ方法
専用のメンテナンスグッズを用意すれば、日々のお手入れはご自身でも可能です。次の手順を参考に作業をしてみましょう。
自分でできるお手入れ
- まずは乾拭きとブラッシングで、汚れやホコリを落とします。傷をつけないように優しく丁寧に作業してください。革の表面はクロスで、縫い目などの細かい部分にはブラシを使います。
- 汚れがひどい場合はクリーナーなどを使い、汚れを浮かせて落とします。クリーナーを適量クロスに付け、汚れが広がらないように、こすらず叩くように拭きましょう。仕上げに余分なクリーナーを拭き取り、乾拭きをします。
- 革の表面が乾燥していたら、オイルやクリームで保湿をします。適量のクリームをクロスにとり、全体に少しずつ塗り広げるようにします。多すぎるとべたつきや染みの原因になるので気をつけてください。
- クリームを塗ってから、30分以上乾燥させることで、革全体にオイルを馴染ませます。クロスでやさしく乾拭きして、余分なオイルを拭き取ります。
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必要に応じて防水スプレーを吹きかけます。雨の日に外出する予定があれば、防水ケアをしたほうが安心です。まず、防水スプレーを革バッグから30cmほど離して、缶を左右に動かしながら全体にスプレーします。完全に乾いたら布で乾拭きをします。
※スプレー噴霧粒子を吸い込むと有害なため、必ず屋外で使用しましょう。
専門業者によるお手入れ
・鞄クリーニング
皮革製品専門のクリーニングサービスのことです。主にクレンジングと色補修の2工程に分かれています。クレンジングでは、鞄に染みついた汚れやシミ、カビなどを洗浄します。皮革製品専用の溶剤や保湿剤を使用し、職人が丁寧に仕上げます。通常のドライクリーニングやウェットクリーニングとは別物です。
色補修は、本来の色味を取り戻すための工程です。下地材を塗ったり、刷毛で色を入れたりすることで、経年劣化や擦り傷による色落ちを手作業で修復します。色補修は個人での実践は難しいため、皮革職人への依頼が基本です。
・修理
革バッグに開いた穴を塞いだり、破損したハンドルを直したりします。革バッグはファスナーなど破損しやすい箇所が多いです。ご自身でお手入れをするタイミングで、革バッグの状態を確認し、破損を見つけたら早めに修理しましょう。
壊れたまま使用すると、そこから状態が悪化することもあります。個人で修復できないと判断した場合は、専門業者に修理を依頼するのがおすすめです。
大切な革バッグは正しいお手入れで長く楽しもう
革製品は正しいお手入れをすれば、風合いや、革の変化を長期間楽しむことができます。 ご自身での日々のお手入れはもちろん大切です。しかし、色落ちや酷い汚れのお手入れは、皮革製品専門業者のクリーニングサービスの利用がおすすめです。 ご自身でのお手入れの際に、革バッグの状態をチェックし、必要に応じて早めに依頼をするようにしましょう。お手入れ方法を使い分けることで、大切な革製品を長く愛用できます。