コラム | 2023-02-15
新洗濯表示の記号や意味は?新しいマークについてわかりやすく解説
新洗濯表示の記号や意味は?新しいマークについてわかりやすく解説
毎日の欠かせない家事である洗濯では、「洗濯表示」にしたがって衣類を洗うのが基本です。洗濯表示は衣類のタグなどに記載されており、チェックすることで洗濯方法や洗い方のルールがわかります。2016年以降は洗濯表示が一新されたことから見慣れないマークも登場し、「どう洗えば良いのだろう?」と悩む方も少なくありません。そこで今回は、新洗濯表示の基礎知識をご紹介します。処理記号の種類や意味を5パターンに分けて解説しますので、ぜひ日々の洗濯にお役立てください。
洗濯表示の基礎知識
ここでは、洗濯表示の意味や特徴を解説します。2016年12月に切り替わった新洗濯表示についても触れますので、ぜひ参考にしてみてください。
洗濯表示とは
洗濯表示とは、衣類などの繊維製品に付けられる表示記号のことです。通常、衣類に直接ラベル(タグ)で取り付けられています。洗濯表示には、繊維製品を正しく扱うため、洗濯・乾燥・クリーニングに関する情報が記載されています。
新洗濯表示とは
2016年12月、洗濯表示が国際規格(ISO)に準じた日本工業規格(JIS)に刷新されました。22種類のマークは41種類まで増え、シンプルな表記になったり、日本語表記がなくなったりしています。これにより、日本の洗濯表示は、世界で使われるものと同じになったのです。 一方、洗濯表示が切り替わる2016年以前に販売された繊維製品は、旧洗濯表示のまま流通しています。旧洗濯表示と新洗濯表示の違いは、マークの種類や増減に留まりません。マークが表す意味合いも変化しています 旧洗濯表示はあくまでも「推奨方法」を表示していました。新洗濯表示は、より具体的で、洗濯処理や乾燥温度などの「上限」についてわかるようになっています。たとえば、「40」と示されている桶のマークは、40℃を超えない水・ぬるま湯ならば、洗濯できることを表します。さらに「絞り方」や「あて布」のマーク、「中性」などの表記も撤廃。表示内容が変わった分、付記用語で補足される内容が増えています。 具体的には、洗濯表示付近に「洗濯ネット使用」「あて布使用」などと書かれていることがあります。実際に洗濯する際は、付記用語を見落とさないよう心がけましょう。
洗濯表示が一新された経緯
新洗濯表示に切り替わった背景に、現代社会のグローバル化があります。上記の通り、2016年12月以前は、旧・日本工業規格の洗濯表示が用いられていました。しかし、近年は大手アパレルブランドを中心に製造拠点を海外に設置。海外進出する企業が増えたり、国内に海外製の洗濯洗剤が流通し始めたりしたことで、洗濯表示を国際規格に合わせる必要がありました。これにより、国外で製造・販売された繊維製品を見分けやすくなったとされます。
新洗濯表示を見分けるポイント
新洗濯表示には、大きく分けて5つの基本記号があります。「家庭洗濯」「漂白」「乾燥」「アイロン」「クリーニング」の5つに付加記号を加え、具体的な洗い方、適切な液温を表しています。基本記号と付加記号をセットで覚えるとわかりやすいでしょう。
家庭での洗濯で覚えておきたい洗濯表示
ここでは、日々の洗濯で覚えておきたい洗濯表示の基礎知識をご紹介します。各マークの番号と記号、記号の意味を詳しく解説しますので、ぜひチェックしてみてください。
家庭洗濯
もともと洗濯機が目印の「家庭洗濯(洗濯記号)」でしたが、一新後は洗濯桶のマークになりました。デザインが類似しているため、手洗い記号と見間違えないようご注意ください。手洗い記号の場合、記号には「手洗イ」という付記用語があり、新記号には手の付加記号があります 家庭洗濯は文字通り、洗濯機を用いた衣類の洗い方を示します。洗い桶のマークには下線または数字があり、洗濯処理の強度や液温上限を表しています。ここでいう液温は、水温と考えて相違ありません。 下線については、線の本数が多いほど弱く洗うことが求められます。正確には「弱い洗濯処理」が必要となるため、「弱」や「ソフトコース」などのモードを設定しましょう。また、上限液温となる数字は、30・40・50・60などがあります。仮に下線が1本で30の付加記号がある洗濯桶マークの場合、「30℃を超えない液温かつ弱い処理であれば洗濯できる」となります。 以下、記号の一覧と意味をまとめたのでご覧ください。
漂白
漂白に関する処理記号は、三角形のマークが採用されました。旧洗濯表示ではフラスコ型のマークであったため、家庭洗濯のパターンよりは見間違えにくいでしょう。漂白の新洗濯表示は「塩素系および酸素系漂白剤が使えるマーク」「酸素系漂白剤は使えるが塩素系は使用禁止のマーク」「漂白剤が使えないマーク」の3パターンに分けられます。比較的、酸素系漂白剤は使える場合が多く見られます。
乾燥
洗濯物の干し方や乾燥の目安を表す処理記号です。旧洗濯表示では服のデザインでしたが、新記号は四角形が目印になりました。また、自然乾燥のみの旧洗濯表示に対し、新洗濯表示ではタンブル乾燥のマークが新設されています。四角形の中に丸があるマークが、タンブル乾燥の処理記号です。従来同様の自然乾燥は、四角形に縦・横の線が入っています。以下をご覧ください。
アイロン
アイロン仕上げの可否や、底面温度を表す処理記号です。旧洗濯表示では、アイロンマークに「高」「中」「低」「×」などの付加記号を採用していましたが、新洗濯表示は「丸い点」に変わっています。マーク内の点の数が多いほど、底面温度の上限が高くなります。
クリーニングに出す前にチェックしたい洗濯表示
ここでは、衣類をクリーニングに出す前にチェックしたい洗濯表示をピックアップします。各記号のデザインや意味を解説しますので、クリーニング前にしっかりと確認しましょう。
ドライクリーニング
ドライクリーニングの可否や、対応可能な商業用ドライクリーニングの種類を示す処理記号です。旧洗濯表示はドライクリーニングの可否のみでしたが、種類までわかるようになったのが特徴です。 ドライクリーニングの新洗濯表示は、「ドライクリーニング禁止」を除き、丸の中に「P」や「F」などのアルファベットが記載されています。
ウェットクリーニング
新洗濯表示において、新しく採用された洗濯処理記号です。丸の中に「W」が記載されており、商業用ウェットクリーニングの対応可否などがわかります。
洗濯表示を正しく理解して衣類を長持ちさせよう
家庭での水洗い、クリーニング業者によるウェットクリーニング・ドライクリーニングなど、衣類の洗浄にはさまざまな選択肢があります。いずれも洗濯表示にしたがって、適切な処理で洗浄することで、衣類が長持ちします。とりわけ商業用ドライクリーニングおよびウェットクリーニングの洗濯表示は重要です。クリーニングに出す前に、必ず確認しておきましょう。