コラム | 2024-09-10
洗濯のりの使い方|種類と使うメリット、使用時に気を付けること
洗濯のりの使い方|種類と使うメリット、使用時に気を付けること
洗濯のりは、主に衣類にハリやコシを与えるために使われますが、正式な使い方やそのメリットを知る人は少ないかもしれません。 特に、手軽に手に入る市販の洗濯のりには様々な種類があり、それぞれに独自の特性があります。 この記事では、洗濯のりの基本的な使い方や種類ごとの特性、そのメリット、そして使用時に注意すべきポイントをご紹介しています。 洗濯のりの正しい使い方を知ることで、洗濯の作業をもっと効率的で楽しいものにしましょう。
洗濯のりに関する基礎知識
洗濯の仕上げに使う洗濯のり。ここでは洗濯のりの概要やメリット、主な種類についてご説明します。
洗濯のりとは?
洗濯のりとは、洗濯物に硬さや張りを与えるための洗濯補助剤の一つで、洗濯の仕上げ用のアイテムとして多くの家庭で使用されています。 衣類の繊維をコーティングし、洗濯後の衣類をパリッとした仕上がりにし、新品に近い見た目と手触りを保ちやすくなる効果があるため、特にシャツやブラウス、スカートなどに用いられています。
洗濯のりを使う主なメリット
洗濯のりを使用することで得られる主なメリットとして以下が挙げられます。
- 型崩れしにくくなる
洗濯のりは、衣類の型崩れを防ぐために有効です。衣類の繊維に一種の保護膜が形成され、形状がしっかりと保持された状態を保つことができます。 これにより、シャツの襟や袖、パンツのプリーツなどがキレイに整い、全体の見た目がさわやかになります。 特に頻繁に着用するワイシャツやスーツ、制服などは、日々の使用によって形が崩れやすくなるため、洗濯のりが活躍します。 型崩れ防止だけでなく、衣類全体にピシッとした印象を与えるため、ビジネスシーンにふさわしいプロフェッショナルな雰囲気を加えることができます。 衣類の質感も改善されてしっかりとした着心地が得られる点も見逃せません。
- 汚れの付着を防止できる
洗濯のりは衣類への汚れの付着を防止する効果があります。衣類の繊維をコーティングすることで表面にバリアを形成するため、汚れや油分が繊維に浸透しにくくなるのです。 食べ物のシミや油汚れなどが付きにくくなるため、日常的な洗濯作業も楽になります。 特に白いシャツやブラウスなどのシワや汚れが目立ちやすい衣類に対して洗濯のりを使用することで、清潔感を保ちやすくなります。 頻繁に洗濯するものや、外出や仕事で使用する機会が多い衣類に使用すると良いでしょう。
- シワを伸ばしやすくなる
洗濯のりを使用すると衣類のシワが軽減されます。というのも、洗濯のりは布地を均一な状態に保つ効果があるため、洗濯後や乾燥中に発生しがちなシワを防ぎやすくなるのです。 ポリビニルアルコール(PVA)が含まれている洗濯のりは、特にシワを防ぐ効果が高いとされています。 シワが減ることでアイロンがけの時間や手間も削減できるため、日常のケアが非常に楽になります。
洗濯のりと柔軟剤の違い
洗濯のりと柔軟剤は、どちらも洗濯においてよく使われるアイテムですが、それぞれ異なる役割を持っています。 洗濯のりは、衣類にハリとコシを与え、型崩れを防ぐ効果があります。また、汚れやシワがつきにくくなるため、衣類の見た目と形状を美しく保つのに役立ちます。 主にシャツやブラウス、スカートなど、きちんとした形状が求められる衣類に使われます。 一方、柔軟剤は衣類を柔らかくし、静電気を防止する効果があります。柔らかさや快適な触感を求めるタオル、ベッドリネン、下着などに適しています。 柔軟剤を使用することで、衣類がふんわりとし、肌触りが良くなります。さらに、柔軟剤には香りがついていることが多く、洗濯後も良い香りが続くのも特長です。 洗濯のりと柔軟剤はそれぞれ異なる効果があるため、用途に応じて使い分けると良いでしょう。なお、両方を併用することも可能です。 それぞれ1:1の割合で混ぜて使うと、パリッとしたハリとしなやかな柔らかさを同時に得ることができます。
洗濯のりの主な種類【形状
洗濯のりには、形状によって主に3つの種類に分けられます。
- 液体タイプ
液体タイプの洗濯のりは水に馴染みやすくて使いやすく、ムラになりにくいのが特徴的で、色柄物でも鮮やかさをキープしてくれます。洗濯のりの中ではパリッとしすぎない仕上がりになるため、柔らかめの衣類や風合いにこだわりたい人におすすめです。 洗濯機・手洗いどちらにも活用でき、薄めずにそのまま使用できるところもメリットです。手軽に使えるので、衣類だけでなくシーツやテーブルクロスなど、大きめの布製品にも向いています。
- ジェルタイプ
ジェルタイプの洗濯のりは、その粘性が特徴です。ジェル状なので狙った部分に塗布しやすく、襟元や袖口などの特定の部分に集中して使用したいときに便利です。 ワイシャツや浴衣などをパリッと仕上げたいときに便利です。ジェルタイプは基本的に天然素材の商品が多いため、敏感肌の方でも安心して利用できます。 洗濯ですぐに落ちやすく、扱いやすいのもポイント。洗濯以外にも、障子の張り替えや手芸・工作など多用途でも利用できます。
- スプレータイプ
洗のり付けしたい箇所にスプレーするだけで使えるため、人気が高く、手軽に使えるタイプの洗濯のりです。 スプレーの範囲が限られるため、ハンカチやシャツの襟など、狭い範囲でピンポイントの仕様に向いていますが、大きめの布製品は村になりやすいため不向きです。 パリッと仕上げたシャツが急に必要になった時など、サッと吹きかけておけば手軽にハリを生み出せます。スプレーの量で硬さも調節しやすいのもポイントです。1本常備しておくと便利です。
洗濯のりの主な種類【成分】
続いて、主な成分別の洗濯のりの種類について説明します。
- 天然のり
パリッとした仕上がりが欲しいなら天然のりのほうがおすすめです。主にジェルタイプの洗濯のりが該当します。 天然のりは、でんぷんなどの天然素材から抽出された成分を使用して製造される洗濯のりです。 化学的な合成成分が含まれていないので、肌に優しく、敏感肌やアトピー性皮膚炎の人、小さなお子様や肌の弱い方がいるご家庭で安心して利用できます。 また、水で簡単に溶けて流れ落ちるので、洗濯物にも残りにくく、洗い流しが簡単です。 なお、天然のりは時間が経つと変質しやすく虫が付きやすい性質もあるため、長期保管の前には必ずしっかり落とすようにしましょう。
- 合成のり
比較的柔らかい仕上がりにしたいのであれば合成のりが向いています。化学的に合成された成分を使用しており、液体タイプやスプレータイプなど使いやすい製品によく使われています。 ハリが重要なワイシャツなどよりも、普段使いの衣類や風合いにこだわりたい場合に向いています。上手く使いこなせるか不安な方や、仕上がりを重視したい方は、合成のりがおすすめです。 また、耐久性が強く、汚れが付きにくくなるのも特徴の一つです。
- 半合成のり
半合成のりは、天然素材と合成素材の両方を使用して製造されるため、それぞれの長所を持ち合わせているのが特徴です。 天然のりの汚れの落としやすさと、合成のりの優れた汚れ防止機能を兼ね備えている良いとこ取りのタイプで、 幅広い種類の衣類に向いていますが、色ムラができやすいため、色物の洋服への仕様は避けたほうが無難です。
洗濯のりの使い方
洗濯のりの使い方について、洗濯機で使う場合と手洗いで使う場合に分けて紹介します。
洗濯機で洗濯のりを使う場合
洗濯機で洗濯のりを使う際の正しい方法を説明いたします。まず、洗濯物を洗濯機に入れ、通常通り洗剤を投入し、通常コースで洗濯を進めます。のり付けしないものと一緒に洗っても構いません。 洗濯が終わったら、のり付けしたい物だけを洗濯槽に残します。すすぎだけのコースを選び、洗濯物が水に浸かるまで注水したら洗濯のりを指定された量で投入します。 洗濯のりの中には、薄めて使うものもあるため、しっかり確認して決められた濃度で使うようにしましょう。また、天然のりは洗濯機で利用できず、故障の原因となるため使用しないでください。 すすぎと脱水が終了したら、手で軽くシワを伸ばしてハンガーに掛けるなどして、天日干しや陰干しで乾燥させます。乾燥時には乾燥機を使わないようにしましょう。 のり付けした洗濯物を乾燥機に入れると故障の原因となるためです。
手洗いで洗濯のりを使う場合
ジェルタイプの天然のりなど、洗濯機で使えない洗濯のりを使う場合は、すすぎまで終わったところで、洗面器を使ってのりづけをしましょう。 なお、手洗いで洗濯のりを使用すると、繊維にしっかりと染み込み、洋服の仕上がりが良くなります。 まず、洗面器に水を張り、洗濯のりを適量入れて溶かします。洗濯のりを溶かした液の中に、のり付けしたい洗濯物を入れて浸します。 しっかりのり付けしたい場合は③分ほど浸けておきます。その後、洗面器から取り出したら、軽く絞ってタオルドライを行います。 しっかりと水気を取らないと、乾燥に時間がかかって雑菌が繁殖するおそれがあるため注意しましょう。 水気が取れたら、手で軽くシワを伸ばしてハンガーに掛けるなどして、風通しの良い場所で乾燥させます。
スプレーのりを使う場合
スプレータイプの洗濯のりは、アイロンがけの際に利用します。まず、シワを伸ばしたい部分に、スプレーをします。スプレーが乾いたら、低温でアイロンがけします。 この際、スプレーの直後にアイロンがけしてしまうと、衣服が焦げてしまうおそれがあります。必ず十分に乾かしてからアイロンがけしてください。
洗濯のりを使う際に気を付けること
洗濯のりを使う際には、適切な注意が必要です。以下では「柔軟剤の投入口に入れない」「洋服を乾燥機にかけない」などの要点を具体的に説明します。
洗濯のりを柔軟剤の投入口に入れない
洗濯のりは柔軟剤の投入口に入れると、洗濯機の故障の原因となります。 柔軟剤の投入口は、柔軟剤専用に設計されているため、粘度の高い洗濯のりを入れると投入口が詰まったり固まったりするおそれがあります。 柔軟剤と洗濯のりは併用できますが、投入口には柔軟剤だけを入れるようにし、洗濯のりは洗濯槽に直接投入します。
のり付け後の洋服は乾燥機にかけない
洗濯のりを使用した洋服を乾燥機にかけると、乾燥機の故障の原因となるため行わないでください。衣服もダメージを受けやすくなります。適切な乾燥方法としては、陰干しや自然乾燥がおすすめです。 のり付け後の洋服は、シワやたるみを伸ばし、洋服の形を整えてからハンガーなどを使用して吊るして干しましょう。直射日光は避け、洋服が均等に乾くように注意してください。 なお、ドラム式洗濯乾燥機を使用する場合でも、のり付けする場合は乾燥機機能の使用は避けてください。
洗濯のりを使わないほうが良い素材がある
洗濯のりは、衣類にハリやツヤを与える便利なアイテムですが、すべての素材に適しているわけではありません。 特にシルクやウールなどデリケートな素材や、レースや薄手のニットといったおしゃれ着に対しては、洗濯のりの使用を避けるべきです。 一度のり付けしてしまうと、洗濯のり自体がおしゃれ着洗い用の洗剤では落としにくいため、そのまま蓄積していって硬くなり、生地の寿命だけでなく風合いを損ねるおそれがあります。
洗濯機で洗濯のりを使用したら洗濯槽を洗う
洗濯機で洗濯のりを使用した場合、洗濯後に洗濯槽を洗うことを習慣にすることが重要です。 洗濯のりは、洋服にしっかりと付着して型崩れや汚れの付着を防ぐ効果がありますが、同時に洗濯槽内にも一部残留してしまいます。 このまま放置しておくと、カビが発生して悪臭の原因になるだけでなく、カビの付いた洗濯槽から洗濯物に雑菌が付着してしまうおそれがあります。 洗濯のりの使用後は、洗濯槽に水を溜めて空回ししておくと良いでしょう。 空回しだけでも洗濯槽にのこった洗濯のりは落とせますが、時期を見て、洗濯槽クリーナーを適宜使ってみるのも良いでしょう。
スプレータイプの利用直後にアイロンをかけない
スプレータイプの洗濯のりを衣類にかけた後は、しっかりと乾かすことが大切です。洗濯のりが十分に乾燥していない状態でアイロンをかけると、衣服を焦がしてしまうおそれがあります。 スプレータイプの洗濯のりは比較的速く乾燥しますが、必ず乾くのを待ってからアイロンがけしましょう。また、焦げを防ぐため、アイロンの温度も、高温ではなく低温にしておくことが重要です。
洗濯のりの効果的な活用で衣類をより美しく!
洗濯のりを効果的に活用することで、衣類の美しさや機能性が格段に向上します。 洗濯のりは主に型崩れを防ぎ、汚れの付着を減らし、シワを伸ばしやすくする効果があります。用途や好みに応じて適切なタイプを選びましょう。 よりパリッと仕上げたい場合には、クリーニング店などプロの手を借りるのも有効です。宅配クリーニングの「せんたく便」は、幅広いタイプの衣類に対応しています。 クリーニングのプロが衣類に合わせた方法で的確に洗い上げ、きれいな状態でお客様へご返却いたします。 料金体系もわかりやすく、最短5営業日で完了の「最速パック」や、最大11カ月のお預かりが可能な「保管パック」など、さまざまなプランをご用意していますので、ぜひお気軽にご利用ください。