コラム | 2023-02-15
墨汁の落とし方|服や床、肌などに付いた墨汁汚れを落とす手順
墨汁の落とし方|服や床、肌などに付いた墨汁汚れを落とす手順
墨汁の落とし方で大切なのは、墨汁の特性を理解したうえで、素早く対処することです。この記事では、墨汁が持っている性質や、墨汁によるシミができたときの応急処置、墨汁の落とし方手順などを解説していきます。洋服や布製品に付着した場合だけでなく、床や肌に付いた墨汁の落とした方についてもご紹介していくので、自分自身やお子さんが墨汁を使うという方は、ぜひ、チェックしてみてください。
服に付いた墨汁が落ちにくい理由
墨汁の落とし方には、いくつかポイントがあります。そもそも、墨汁の汚れが落ちにくいのは、墨汁に含まれる微粒子カーボンブラックと膠(にかわ)という成分が含まれているからです。カーボンブラックは、黒いスス(炭素)です。そして、膠(にかわ)は、動物由来の樹脂のようなもので、本来は接着剤としての役割を担っています。 衣服や布製品に墨汁が付着すると、細かなススが服などの繊維の奥に入り込みます。次いで膠(にかわ)がスス汚れを固定させてしまうため、頑固になった墨汁汚れは、なかなか落ちません。キッチン用の中性洗剤を使用してもみ洗いしたり、洗浄力の強い洗剤や酸素系漂白剤を使ったりしても落ちないことがあります。 一方、墨汁の汚れが付きにくく、落としやすい素材もあります。たとえば、ポリエステルのような人工繊維・化学繊維が多く含まれる服・布類は、吸水性が低いため、墨汁で染まりにくく、墨汁で汚れても比較的落ちやすいでしょう。墨汁を使う作業をするときや、学校で書道の授業があるお子さんには、墨汁汚れが付きにくく、落としやすい衣服がおすすめです。
墨汁の落とし方のポイント
墨汁汚れをきれいに落とすためには、早めの対処が肝心です。時間が経てば経つほど、墨汁に含まれる膠(にかわ)が、付着した墨汁をどんどん固定化させてしまうため、早めの対処を心がけましょう。 家庭で墨汁の汚れが付いたときは、重曹・歯磨き粉・漂白剤・のりが有効です。こうした粒子を含む洗剤や、吸着性のあるものは、繊維中の墨汁をかき出したり、汚れを引っ付けたりできるので、効果的に墨汁汚れを落としてくれます。 ただし、墨汁汚れの範囲や程度、経過した時間によっては、しっかりきれいに取れるまでに時間がかかる場合もあります。根気強く行う必要があるでしょう。
墨汁の落とし方の手順
ここからは、服・床・肌などに、墨汁が付着した場合の落とし方についてご紹介していきます。
服に付いた墨汁を落とす手順
まず、衣服に付いた墨汁を、ご飯粒(のり)を使って取り除く手順からご紹介します。糊状になったデンプンは、ススを吸着し取り除いてくれます。焦らず、根気よく作業していきましょう。
- Step1.掃除アイテムを用意する
必要なアイテムは以下の通りです。
- ご飯粒、またはデンプンのり
- 液体の洗濯洗剤
- 粉末の洗濯洗剤
- ご飯粒を混ぜる容器
- スプーン
- Step2.材料を混ぜ合わせる
ご飯粒(またはデンプンのり)と液体洗剤を、2:1の割合を目安に容器へ入れ、スプーンで混ぜ合わせてください。粉末洗剤を適量加えるとまとまりやすいでしょう。
- Step3.墨汁汚れをこすり洗いする
洗剤を混ぜ合わせたご飯粒を、墨汁汚れに塗り込み、スプーンの裏でこすっていきます。歯ブラシでこすってもOKです。色落ち・色移りを予防するため、汚れている範囲だけをこするようにしてください。水で洗い流し、こすり落とす作業を繰り返していきましょう。墨汁汚れが落ちたら、ぬるま湯ですすぎ、洗濯機で洗ってください。
床に付いた墨汁を落とす手順
次に、床にポタリと墨汁が落ちてしまったときや、墨汁入れを倒してしまったときに役立つ方法をご紹介します。
- Step1.必要な道具を用意する
必要なアイテムは以下の通りです。
- ティッシュや雑巾
- 歯磨き粉
- 歯ブラシ
- メラミンスポンジ
- Step2.ティッシュや布で素早く吸い取る
こぼしたばかりの墨汁は、水分が多く、ティッシュや雑巾で吸い取りやすい状態です。乾いていない状態であれば、ティッシュや雑巾ですばやく吸い取りましょう。
- Step3.歯磨き粉で落とす
次に、歯磨き粉の粒子で墨汁を落としていきます。墨汁汚れの大きさに合わせて、墨汁の上に歯磨き粉を出し、歯ブラシで優しくこすっていきましょう。床は繊維と違って染み込みにくいため、比較的簡単に落とせるはずです。
- Step4.落ちにくい墨汁汚れを落とす
歯磨き粉だけで墨汁汚れが落ちなかった場合は、メラミンスポンジを使います。メラミンスポンジに水分をたっぷり含ませて、墨汁汚れをこすっていきましょう。 メラミンスポンジの水分が少ないと、スポンジと床の摩擦が強くなり、床に傷をつけてしまう可能性があるうえ、墨汁汚れが落ちにくくなります。たっぷり水分を含ませるのが、きれいに落とすコツです。
肌に付いた墨汁を落とす手順
手や腕など、肌についた墨汁も落としにくいですよね。肌についた墨汁汚れは、固形石鹸やシャンプー、クレンジングオイルなどを使って落としていきましょう。
- Step1.石けんで洗う
まずは、いつものように石鹸で洗いましょう。よく泡立てて墨の粒子を洗い流すのがポイントです。爪の中に墨汁が染み込んでいる場合は、石鹸に爪を立てて擦ってみてください。
- Step2.洗髪時に洗う
シャンプーも墨汁を落とせるので、お風呂のシャンプータイムを利用して、手の墨汁を一緒に洗うのもおすすめです。頭髪がブラシ代わりになるので、髪と一緒に手についた墨汁を洗い流していきましょう。
- Step3.オイルを使う
石鹸やシャンプーで落としきれない場合は、クレンジングオイルやベビーオイルなど、オイル系のアイテムを使ってみましょう。墨汁汚れが付いている部分にオイルを付けて、円を描くようにくるくると優しくこすってください。墨汁が落ちたら、石けんやハンドソープ、顔の場合は洗顔フォームなどで洗いましょう。
衣服の墨汁汚れならクリーニングがおすすめ
墨汁汚れをしっかり落としたいときや、家庭でのシミ抜きが難しい場合は、クリーニング店に相談してみるのもひとつの方法です。
服の墨汁汚れはクリーニングが便利
自宅で墨汁汚れがきれいに落ちないときは、クリーニング店にお願いしてみてください。クリーニング店によっては、無料で染み抜きサービスを行っているところもあります。生地の特性に合わせた方法で、ダメージを最小限に抑えながら不溶性の汚れを落としてくれるでしょう。専用の技術があるので、家庭で落とすよりもきれいに落ちることも少なくありません。染み抜きを得意とするクリーニング店もあるので、ネットでお店のレビューや口コミなどをチェックしてみましょう。 ただし、時間が経ちすぎている場合や、繊維の深いところまで染み込み、固定化した墨汁汚れは、洗濯のプロでも落とすのが難しい場合があります。墨汁汚れは乾燥しないうちにできる限り対処し、墨汁を使う際は、墨汁汚れのつきにくい服を着て作業しましょう。
プロが無料でシミ抜きを行う「せんたく便」
せんたく便は、スマホやパソコン、電話で注文できる宅配クリーニングの老舗です。送料・手数料はもちろん、シミ抜きオプションも無料で提供しています。 熟練のクリーニング師が、素材やシミの状態に応じて適切な処理をおこなうので、子どもが習字の時間に、ズボンに墨汁を垂らしてしまったときも安心です。墨汁汚れ以外にも、蛍光ペンやファンデーションなどのシミ抜きも行っています。 加えて、衣類の素材で料金が変わらない、点数別のパック料金制なので、事前に費用がわかるのも嬉しいポイントです。一般的なクリーニング店に持ち込みにくいハイブランドにも対応しており、国家資格のクリーニング師免許を持っているスタッフが、高品質なクリーニングを提供してくれます。
墨汁の落とし方はすばやく根気強く
墨汁の落とし方では、すばやい対処が大切です。墨汁は、繊維の奥に入って固定化しやすいため、「あ!」と墨汁汚れに気付いたら、すぐに対処してください。墨汁汚れを落とすときは、歯磨き粉やご飯粒などをつかって、根気強く落としていきましょう。また、墨汁を使う際には、汚れてもよい服や、墨汁汚れがつきにくい衣服を選ぶといった工夫も欠かせません。どうしても落ちない場合や、落とすのが面倒という場合は、クリーニング店へ依頼してみましょう。